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泉を汲み取る人


4/22(水)くもり

午後、電車で神保町の岩波ホールへ。
映画『パプーシャの黒い瞳』を鑑賞。
白黒の映像の中に、最後のジプシーの姿が描かれている。
http://www.moviola.jp/papusza/

友人から映画の感想を聞いて、これは観ておかねばと足を運んだ。

パプーシャことブロニスワヴァ・ヴァイスは実在した女流詩人。
詩人として、世界中に愛されている彼女は
自らを詩人と自覚したことはなかった。

1910年にジプシーの娘として生を受けたパプーシャ。
彼女は書き文字に惹かれ、こっそり学び始める。
成人し、母となった彼女の唇からは、子守唄の代わりに
美しい詩を生み出しては消えてゆく日々だった。
それを書き留める者が現れた。
詩人の青年イェジは秘密警察から身を隠すためにジプシーと共に生活を
始め、彼女の才能に気付き、それを書き留めるように勧める。

(ここからはネタバレなので、映画を観たい人はスルーしてね。)

第二次世界大戦後、イェジは罪を解かれ、ワルシャワに定住。
パプーシャから届く詩をポーランド語に翻訳、出版し、続けて
『ポーランドのジプシー』を発表。

ポーランド政府はジプシーの定住化政策をとり
ジプシーのもつ文化も解体されようとしていた。
そこにイェジの書籍によって、ジプシーが500年以上守り続けて
きた秘密が暴かれることになり、パプーシャ夫妻はジプシーの
コミュニティから追放されてしまう。

晩年、パプーシャはイェジにこう答えている。
「詩を書いたことはない。ただの一度も。」

彼女から溢れ続ける言霊の泉を、イェジがすくい採った奇跡。
心を閉ざし、二度と「命の震え」を綴らなくなった彼女。

上演後、我が心が泣いているので、落ち着ける喫茶店へ。
時代に翻弄され、身も心も引き裂かれたパプーシャを想う。
そして、彼女の美しい詩が世界に広く届けられたことに胸が熱くなる。

手元には、友人が貸してくれた詩集『パプーシャ その詩の世界』がある。
後でゆっくり読んでみようっと。

雨が降り始めた。
濡れて帰るパワーがないので、もう少しここに留まっていよう。


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